ヤドカリのように理想の殻へと引越しが出来るのならばどんなにイイかと今だに思う。
綺麗でなくていいから年相応と思われる普通な殻に入りたい。
…と、私から逃げるように、どうしてか、いつもそんなことばかり気にかかっていた。
この殻は邪魔だ。けれど、この邪魔なものこそがなによりも私とさせてきた。
好きだと思う対象も、勝手にそう思われてしまう不甲斐なさも、
写真で私が切り取る枠のようで、
私はいつだってどうしようもなく私でしかいられないことを、認めざるを得なくなる。
写真を通して私と向き合うことで、私から少しずつ開放される。
写真を撮ることは、私が私であることを突きつけ、
認めさせ、私を捨ててゆく、脱皮のようなことである。
2014
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