幼い頃、なりたい人を発見すると、さり気なくその人へ目を向けて瞬きをし、
目を開け、視線を自分の体へ落とし、もう一度深く瞬きをした。
残像を体に写し込むようなこのオマジナイを繰り返ししていれば
「自分自身もそうなれる」と、強く信じていた。
それは今の僕が写真を撮りたいと、そう思う理由と変わらない。

こうして今も、子供の頃と相変わらず同じような事をして、同じような事で泣いて笑っている。
好きなものは意味もなく好きでいて、身体が磁石にでもなったかのように吸い寄せられてしまう。
「それでもいい」と思っていたのを「それがいい」と、この頃そう大切に感じるようになった。







2013







   

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